翼なき竜
2.有翼の君(1) (4/4)
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女王に回される仕事のうち、宰相が採決しても構わない仕事をできる限り回させる。さらに女王の仕事を手伝って早くに終わらせる。行事関連は難しいが、執務室での仕事ならば動かしようがある。
もちろん宰相自身も忙しい身であるが、睡眠時間を大幅に削ればできないこともない。
全ては相手を見つけるため。
もし……もし、本当に恋人だったにしても、絶対絶対、悪い男に決まっている。女王陛下に取り入って権力を得ようとする人間は多いのだから。
きっと、純粋な女王陛下は騙されたのだ。陛下の目を覚まさせなくては。
もしくは恋人ではないのだ。
逃避的に考えながら、宰相は固い決意を胸に、相手を見つけ出すことに燃えていた。
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