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パトリー「ノアって18歳なんだってね」
ノア「うん、そうだよ」
パトリー「……へーえ、あたしより二歳年上なんだ……。ふーん…………」
ノア「…………何、もしかして年の割りに子供っぽいって言いたいの?」
パトリー「え、ええっ!! そ、そ、そんなことないよ……!」
ノア「じゃあ、何が言いたいんだ?」
パトリー「そ、それは……え、ええと……。と、年よりも若く見えるね、って!」
ノア「なあんだ、そういうことかぁ。あはははは」
パトリー「あはははは(汗)」
イライザ「……ノア様……。それ『子供っぽい』と同義語ですよ……」





2   ノア・シュテファン初対面のとき


ノア「そういえば……送ってきたあのパトリーの絵……。全然まったく似てないあの美女の絵、何だったんだ。あれ、ほとんど詐欺だぞ」
シュテファン「似てない……。まあそうでしょうね、モデルが違いますから。髪の色と目の色を指定しただけで」
ノア「え!! じゃあ、あの絶世の美女が、本当にいるのか!?(どきどき) 一体誰がモデルなんだ!?」
シュテファン「私の妻ですが」
ノア「…………………………………。」
シュテファン「……何か?」
ノア「……っこんの野郎〜〜!! イライザ、止めるな! 一発殴らせろぉっ!」
シュテファン「ははは。冗談ですよ」
ノア「あー! もうこいつ、絶対好きになれないっ!!」








パトリー「あー、ノアたちと一緒に旅してから、料理がおいしくていいわー。イライザ料理うまいわよね。……あたしのは置いといて」
ノア「? 確か前に、オルテスとか言うやつと一緒に旅してた、って聞いたけど、そいつもそんなに料理不味かったのか?」
パトリー「いや、野外での料理はおいしいくらいだったけど……でもね……」

   *   *

オルテス『パトリー! 何だこのシチュー! 黒こげ! 固い!』
パトリー『あ、あれ? 何でこんなシロモノに……あは、あはは……注意が足りなかったかなー』
オルテス『今度から料理当番の時は、盗賊に向き合っているくらいの注意を払ってくれ。……念のため、言っておく。もし、今度そういう料理を出してきたら、次の俺の当番のとき、虫を出すからな』
パトリー『む、虫っ!!??』
オルテス『そうだ。意外とうまいぞ、白い幼虫とか、でかい蟻とか』
パトリー『え、ええーっ!! それだけはやめてっ!』
オルテス『だったら、まともな料理作ってくれ。本気で頼むから』

   *   *

パトリー「……ってことがあってね」
ノア「それで……まさか……」
パトリー「まあ……現在のあたしの料理の腕を見てくれればわかるんだけど……。本気でやりやがったのよ、オルテス」
ノア(うげっ!!!)
パトリー「食べてないわよ! 何その顔。何疑っているのよ。お腹すいた夜を過ごしたんだからね。……ノアも食べさせてあげましょうか……? オルテスからそういう虫が見つかるポイントは聞いているしね……」
ノア「え! や、やめてっ! それだけはやめてくれっ!!」





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