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だから彼女は花束を抱える


あらすじ


 大貴族クラレンス家の娘・パトリーは、世界的貿易商人を目指してがんばっている。盗賊から助けてもらった謎の男・オルテスに居候されながら、その未来を夢見て。しかし、ある日、兄・シュテファンから、会ったこともないランドリュー皇子と結婚するように言われた。
 それを嫌がるパトリー。それを回避する条件として、シュテファンは、セラという街に箱を届けるように言った。
 こうして、パトリーの旅が始まった。
 パトリーには想像もつかなかった、さまざまな人々のさまざまな思惑の長い旅が……。

登場人物紹介


パトリー=クラレンス
・シュベルク国の大貴族・クラレンス家の6番目の娘。赤っぽい黒髪は肩ほど・紫の瞳。だいたいにおいて、男装をしている。世界的貿易商人をめざす、16歳。お小遣いを使って会社を設立、貿易の支店を中央大陸の各国に作っている。盗賊から助けられたことで、お礼としてオルテスにシュベルク国のクラレンス邸に招待するも、6ヶ月居座られる。結婚することを異常に嫌がる。
オルテス
・パトリーを盗賊から助けたことで、6ヶ月もの間、クラレンス邸に居座り続けた男。藍色の長い髪、緑色の瞳。年は20代前半。ずうずうしいところがあるが、猜疑心が強く、あなどれない。パトリーの旅路に付き合っている。剣の腕はいい。いつもルースという目立つ鳥をつれている。謎の男。
ランドリュー=ノア=シュベルク(通称ノア)
・島国シュベルク国の第3皇子。18歳。ずっとエリバルガ国に遊学していたが、大学医学部を卒業。急遽、クラレンス家のパトリーとの結婚を求められる。茶髪に、一筋の三つ編み。空色の瞳。パトリーに、ノア、と名乗る。子供っぽいところがあるが、いい人。
シュテファン=クラレンス
・パトリーの兄。中央大陸にいる父に代わり、シュベルク国でクラレンス家の当主代理をつとめている。亜麻色の髪は肩ほどまである。シルビアという妻と、子がいる20代後半。冷徹。
イライザ
・ノアに付き従う女騎士。二刀流。ノアに忠実に従う。かなり強い。長い黒髪を結わえている。
リュイン
・オルテスの義弟(オルテスの妹・ルクレツィアの夫)。「不老不死の魔法使い」と呼ばれ、グランディア皇国において高官。「不老不死」で「魔法使い」かは疑う噂も数多く。無国籍風の姿で、髪は銀髪、片眼鏡をつけている。
エディ
・「隻眼の海運王」と呼ばれる、体つきのいい船長。年は30。左目は傷があり、眼帯で隠している。海賊に間違われることも。子供のときからの船上生活により、陸に上がると『陸酔い』となる。
マレク
・パトリー貿易会社の副社長。飛びぬけて大柄で、動物のような丸い目。言葉はなめらかではない。東風の顔立ちで、短い黒髪ははねている。
アレクサンドラ=グランディア
・グランディア皇国の皇太子。微笑みの皇太子と呼ばれる。ダニロフ公と皇王位を争っているという。リュインに育てられ、現在彼を右腕とする。藍色の長髪、紅玉の瞳。妍麗な美人。
ウィンストン卿
・シュベルク国の貴族。ノアにとって祖父的存在。灰色の髪と口ひげ。

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